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2024/07/01 18:35 |
2013・1月
あけましておめでとうございます。
貴方の巡る季節が佳きものでありますように。


ふぉろわさんのお好きなCPとか、お受けしたリクエストとか。
鉢屋中心に色々あります。

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【重舳】さすがに冬の海は身体に堪えた。それでも、珊瑚よりも美しい赤く美しい髪が視界を過って俺の前を進むから、俺は追いかけるしかない。ずっと、もうずっとだ。俺は馬鹿正直で、みよ兄以外考えられないから、あの人だけを追いかけようと思う。まあ、逃がす道理も、ないわけで。

【与四文】年初めだというのに来訪者は(侵入者かもしれないが)、にこにこと機嫌良さ気に笑っている。へむへむの鐘が鳴った。「……おめでとさん」仙蔵の奴は新年の作法指導のため委員会の集まりらしい。「へへ、やった」あ?と聞き返せば「文次郎の一番!」と笑った。阿呆か!

【汝曲で左富】左門は高らかに宣言した。「作兵衛白、生徒判定だ!」お前が、仲間か。身体の芯が痺れて震えてしまいそうになる。俺は曲者だ。おそらく穴丑。俺はいずれお前を見捨てねばなるまい。「左門は俺検査か、ありがとな」必ず勝利を渡してやるから、先に天国で動かず待ってろ。

【雷鉢】私は傷を持っている。誰にも見せない傷だが、そこから君の優しさがしみてくる。その度に泣きそうになりながら、ああ君には適わないなあ、といつも思う。この傷を抉ってみせたって構わないんだよ。私は、君になら。そうじゃないよ馬鹿だな、なんて諫められるだろうか。

【尾鉢】鉢屋、俺はお前が好きなんだよ。嘘じゃないよ。勘右衛門は分かり切ったことを言う。知ってる、と囁けばうん、と頷く。うん、ともう一度。私はきっと、お前が好きだよ。何より大事にしたいと思ってるよ。何を泣く。今だけはお前のものなのに。

【久々鉢】三郎、と名前を呼べば眉間に皺を寄せられた。「今度は何だ。新年豆腐の話はもう聴かないぞ」日頃の行いだと勘右衛門から笑われそうだ。「明けましておめでとう。今年も大好き」三郎は一瞬言葉に詰まって、顔を赤くして馬鹿と叫んだ。うん、三郎馬鹿の自覚は、あるよ。

【鉢庄】明けましておめでとうございます、と庄左ヱ門が言った。頬が赤く、吐き出される息は白い。おめでとう、と返して額に口を寄せる。可愛らしいことに後輩はさっと耳まで赤くなった。「鉢屋先輩!」「ごめんごめん、葉蜜柑をあげるから」口にするのは、まだ先だな。

【乱伏】乱太郎の調合した薬を少しばかりいじった。毒を薬に、薬を毒に、容易いことだ。一舐めして満足する。さすが僕!飲んだ皆の阿鼻叫喚を想像して今からわくわくする。と、ひんやりと冷たい乱太郎の手が僕の頬に触れた。「オイタはダメだよ、伏木蔵」ああもう、これだからやめられない!

【尾鉢】私の指に触れて、楽しそうに勘右衛門は笑う。「手入れが行き届いてるね。綺麗な指」「当然だろう」変装に使う道具や指に、私は誇りを持っている。「知ってる。えへへ……俺の鉢屋」ふざけるな、と言いたかったのにあんまり嬉しそうに笑うから言えなくなってしまった。

【フォロワさん×鉢】華奢な少年の頭をくしゃくしゃと撫でれば照れたように唇を尖らせた。ドウモ、と呟いて。別に好きでやったわけじゃないですけど。ありがとう。私は君が笑っていてくれるだけで嬉しい。それだけで良い。今年も君が、沢山たくさん愛されますように。

【シナ鉢】化粧道具を片付けていると、道具に影が落ちた。「せんせい?」山本先生は目を細めて笑った。私の変装の師であり、正体は誰も知らないひと。瞼に柔らかい感触と共にち、と音が響いた。「えっ、せっ」「これで動揺するようでは、まだまだね」にこ、と妖艶な笑みを一つ。ああもう!

【鉢尾】大事にしたい、ずっと笑っていて欲しい。私にそれが出来るだろうか。「鉢屋、また何か難しいこと考えてるでしょ」応える前に勘右衛門は笑った。「鉢屋は一緒に居てくれるだけで良いの、俺が幸せにしてあげるからさ!」「……こっちの台詞だばか!」

【綾鉢】おやまあ、と綾部の声が響いた。「どうされました、それは僕の罠ですが」「……知ってるよ」静かな場所を探した結果が此処だったのだ。「ごゆっくりどーぞ」言葉と一緒にひょい、と綾部が降りてきた。「おい降りてくるな!」ぽん、と頭を撫でられる。全く油断ならない!

【金こへ】此処にいて下さい、と後輩は囁いた。手足がもう、思うように動かないのだ。七松先輩、と金吾は笑った。小さくて柔らかかった手のひらは硬く、剣胼胝より苦無胼胝が目立っていた。お前の夢を、目標を、断ち切ったのは私だろうか。そうだったら良いのに。「殺させやしませんから」貴方だけは。

【文鉢】がたんと乱暴に戸が開けられた。優秀な後輩の表情は読めず、俯いたままで鉢屋は俺に近づいた。小さな、やっと聴き取れる声でせんぱい、と囁いた。もういやです。必死で泣いたのか?遠慮無く生きてみたのか?それでもダメだったなら構わない、俺の命もくれてやる。もういい。諦めても、良いよ。

【金こへ】金吾は相変わらず泣き虫だなあ。そう言って七松先輩は笑った。誰のせいだと思ってるんですか。全部貴方のせいですよ。温かい手のひらが頬に触れて、僕の涙を乱暴に拭った。男前が台無しだ、と楽しそうに言って、ありがとうと囁いた。私を諦めないでくれてありがとう。ずっと待っていたんだ。

【富池】好きって言ったでしょう。覚えてないんですか。思い出せるだけ思い出していや言ってねえ、と言い返せば何だバレましたか意外と記憶力良いんですね、と。睨み付ける視線とは裏腹に後輩の耳は赤く、嗚呼こいつは今、俺に好きをくれたんだな、と気付いた。分かりにくいんだよ!

【庄鉢庄】こんな痛みは知らないままでいたかった。僕の痛みなんてあの人の耐えている傷に比べれば何でもないはずで、痛がる自分の身体が疎ましかった。先輩が好きです、大好きです。伝えられない感情が燻る胸はやっぱり痛くて、僕は唇を噛む。きっと、伝えたところでまだ信じては下さらない。絶対に。

【伊雷】お前が人じゃなかったら愛してあげるのに。薄っぺらい笑顔に虫唾が走る。片腹痛いですね、と笑い返せばもっと喜んでも良いんじゃないの、と。僕の気持ちはこの人がこの人である限り変わるまい、なんて欲しくもない確信を得た。「一丁前に人間みたいなことを言わないでくださいよ、人でなし」

【庄鉢庄】嫌い、と言われたらそれを信じてしまうのに、大好きは信じられない。大好きの方が、信じて受け入れるのにずっと勇気の要る感情だから、きっとこれは間違いじゃない。好きな人であれば尚更。貴方も僕と同じだって、そう信じても良いでしょうか。自分の気持ちより、貴方の好きを信じていたい。

【左富】俺が、自分の気持ちを疑うのはまだマシだよ。いつものことだ。自分を疑うのはもう慣れた。でも、だからこそお前の気持ちは疑いたくない。お前が俺にくれる好きの分だけ、信じていたい。なあ左門、お前は俺に正しい気持ちを教えてくれる。だから安心だ。俺はお前が好きだよ。

【綾勘】寂しさを抱きしめたら、強さになりました。悲しみを暖めたら、優しさになりました。何度も転んでは立ち上がり 、一人ではないことに気が付きました。要らないものを穴に埋めようとする僕に、勿体無いから俺に頂戴、と笑って。そう、だから、僕の気持ちは全部、ぜんぶ、貴方がくれたのです。

【くくタカ】分かっていた。斉藤の方が、俺より背が高いのである。当然だが脚も長い。体力は、さすがに俺のがあると思うけど。街に出れば俺の持っている知識やら技術なんてものは役に立たないわけで。「兵助くん」ぎゅ、と手を握られた。これで満足するなんて、俺も大概絆されている!

【伊雷】文句の一つでも言ってやろうと口を開いた。動かしたはずの喉から出した声が、声にならずにぜろぜろという音になって飛び起きた。誰の所為かなんて考えなくても分かる。大体人間の喉は一晩中使うものじゃないのだ。隣で何度寝だか知らないが眠りこけている男を全力で蹴ってやった。起きろばか!

【尾鉢尾】馬鹿だなあ、と俺は溜め息を吐いた。鉢屋はこれっぽっちも分かっていない。俺がどんな気持ちで委員会の茶菓子をだしに街に行こうと誘ったのか。気付いたらいつもの五人全員で出かけることになっている。「何を膨れてるんだ、勘」「膨れてないもん!」「もんってお前」また誘うから、良いの!

【伊雷】今から嘘を吐きます、と。後輩はにこりと笑った。曖昧なものはいらないから確かなものが欲しい。ひとりの時間はいらないから二人で生きる時間が欲しい。駆け引きはいらないから優しい声が欲しい。他に何にもいらないから傍にいて欲しい。貴方が居るという確証が、欲しい。さあ、本当は、どれ?

 

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2013/02/01 00:00 | RKRN(月ろぐ)

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