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2024/09/29 11:23 |
ずるいよね、【いすタカ+夢竹】
はちみつのひ!
タカ丸さんの髪は蜂蜜色なので、8月3日はいすタカの日です…!
あまりにも少ないので、夢竹もちょろっと。






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あの人の手がとても好きです
あの人の手が触れた髪が愛しくて、あの人の手が触れた頬が愛しくて、あの人と繋いだ手が愛しくて
あの人のあの手が触れるもの全てに嫉妬すら覚えてしまうのです


竹谷先輩、今日は蜂蜜の日なんですよぅ、と三治郎が言うので委員会の蜂蜜を出すことにした。
さすがに全学年分はないので、一年生だけだ。
孫兵はまだ来ていないから、きっとジュンコを探しているんだろう。委員会に来たら分けてやることに勝手に決めた。
一平と孫次郎、虎若が級友に知らせに教室に戻っている。残っているのは三治郎だけだ。
蜜壺を脇に抱えて、指で掬う。手を洗ったばかりだし、大丈夫だろう。
「三治朗、口開けて」
一番乗りだ、と笑うと嬉しそうに頬を染めた。
三治郎は器用に指から蜂蜜を舐め取る。熱い舌。
「僕もお返しします!」
口を開けて下さいね、と言われて頬が熱くなった。
小さな指に蜂蜜が垂れる。とろりと光る黄色いそれ。
あ、これ、結構恥ずかしいのな!
「いや、三治郎気持ちだけで……」
「皆が来ちゃいますよ、先輩!早く!」
結局、大人しく三治郎の指を舐めることになった。


蜂蜜の日です、と伊助君はボクを見上げて言った。四年長屋の前だけど、皆委員会に行ってしまったので今は誰もいない。
「語呂合わせで!僕、それを聞いてタカ丸さんを一番に思い出したんですよ!」
素敵でしょう、と伊助君は笑う。
「素敵だねぇ」
「生物委員会が蜂蜜を配るって!行きましょうタカ丸さん!」
小さな手がボクの手を力強く引く。
ああ、本当に素敵な日だ。

「斉藤はこの木の枝で。二郭はこっち」
竹谷先輩はいくつか集めた枝の中から一つを渡してくれた。綺麗に洗ってある枝で、結構大きい。
「手持ちの刃物で枝を削って、串か匙にするんだ。それが出来たら蜂蜜を分けてやるからなー」
一年生と同じ扱いで実習をさせてくれるあたり、優しい。髪の状態は最悪だけど、今はがまん。
「慎重にやれよ。お前等が怪我したら、俺が兵助に怒られちまう」
竹谷先輩は横に屈んで、小刀の持ち方を直してくれた。
「三治郎は蜂蜜食べないの?」
伊助君が尋ねると、隣に並んだ三治郎君はもう頂いたから良いんだ、と笑う。
「……竹谷先輩顔赤いけど、大丈夫?」
「そういうことは尋ねないもんだろ斉藤……」
目元を抑えて、下を向く。あ、耳まで真っ赤だ。
伊助君が竹谷先輩を見てから、また言う。
「……楽しそうだね?」
「ふふ。良いことがあったからね!」

蜂蜜は何とか分けて貰って平らげた(斉藤しっかり小刀の練習しないと駄目だぞ、とこれは竹谷先輩の言葉だ)。
委員会を思い出して慌てて火薬庫に向かう。
良かった、まだ久々知先輩来てないねぇ、と二人して安堵した。
「タカ丸さん、一緒に見直ししましょう」
活動場所の火薬庫の前、大きな木の下から伊助君がボクを呼んだ。
「うん!」
「久々知先輩が鍵を持って来られるまでですけど」
良い木陰、と嬉しそうにタカ丸は言って、忍たまの友とメモを取り出した。

忍たまの友を二人並んで読みながら伊助は彼を窺う。
蜂蜜の色をした髪が差し込む光を反射してきらきら輝いている。
(きれい)
たぶん、学園で一番目立つ人だ。見た目がこれだし。
知識は僕よりないかもしれないけど、四年生に編入しても体力では問題ないのだから、凄い。
「ねぇ伊助くん、ここ、分かる?」
昨日庄左ヱ門が予習していて、教えてもらったところだった。
「えっと、そこは前に習ったものの応用で、」
蜂蜜色の染物、できるかなぁ。試してみなくちゃ。
ああ、でもこんな美しい色、染料にだってない。
(あのね、タカ丸さん。僕、貴方のことが大好きです。)

背なんかボクの腰くらいまでしかない可愛い子だ。特技はお掃除らしい。
(凄いなぁ)
一年は組ということを除けばあんまり目立つ子ではない。
でも忍びの知識はボクよりあるだろうし、これから鍛えたらボクよりずっとずっと強くなるんだろう。
(うん、それに忍びとしては目立たない方が良いのかも)
将来のこともきちんと考えている子だ。
「分かりましたか?説明が下手でごめんなさい」
「そんなことないよ!すごく分かりやすかった」
ありがとー伊助くん、とお礼を言うと耳まで真っ赤になる。
(こんなにかわいい、のに)
手を引いてくれる力強いそれに、ドキドキするのはどうしてだろう。


ずるいよね、

(僕はこんなに好きなのに、気付いても貰えないなんて!)


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2011/08/03 20:03 | RKRN(小噺)

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