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2024/09/29 11:19 |
2011・7月
ついったーのお題やら、話していて盛り上がったものやら。
掘り下げたいものも相変わらずいくつか。
鉢屋中心にごった。








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7月

【学級】
織姫と彦星は逢えたでしょうか、と彦四郎が空を見上げて言う。生憎の曇り空だ。「大丈夫だよ、天の川はずっと雲より上にあるんだから」勘右衛門は一緒に空を見た。「一年に一度なんて寂しいですね」庄左ヱ門は目を細める。「一期一会の人生よりも、一年に一度でも逢えた方が良いさ」三郎が笑った。

【尾鉢尾】
月が赤いねぇ、と勘右衛門が空を見て言った。一年生はもう寝ちゃったかな、見せてやりたい。「…不満か」隣に居るのは私なんだが。思いの外言葉が拗ねたように響いて、月を睨んだまま隣を向けない。「鉢屋で我慢してあげるよ」「私もお前で我慢してやる」素直じゃないなぁ。お互い様だろう。

【庄鉢】
ぎゅ、と小さな手が三郎のそれを握った。そのまま自分の頬に繋いだ手を当てて、離さないで下さい、と庄左ヱ門が言う。「……っ」喉の奥がひゅっと鳴り、三郎は言葉を出せないまま赤くなった。「大好きです」小さくはにかんで幸せそうに笑う。「……私だって、ちゃんと好きだよ」 (繋いだてのひら)

【鉢+文】
別に、と鉢屋は口角をあげた。どっちがどっちだって構いやしないでしょう?見分けがつかないってのはそういうことですよ。くそ生意気な、と思うものの事実俺には見分けがつかない。潮江先輩は妙なところで神経質ですねえ。(確かにその通りだが、俺には、お前たちが一人になりたがっているように、見える)

【くくきりくく】
「オレの、家族に、なってください」きり丸の視線は痛いほどだった。久々知の袖を握った指先が赤い。「先に言うのはズルいんじゃないか」久々知はまだ自分より背の低い少年の前に屈んで、笑った。「…きり丸。俺と一緒に居てください。俺を幸せにしてください。どうか、一緒に、幸せになってください」

【庄鉢+いすタカ】
伊助は金糸のような髪を一房、握っている。部屋に戻ってきた伊助の髪はどうしてかバッサリ短くなっていて、だけど理由を尋ねることができなかった。「僕があの人を守りたいって言ったら、笑う?」「笑わないよ」笑わない、と庄左ヱ門はもう一度繰り返した。「僕に伊助が笑えるもんか」

【いすタカ+庄鉢】
タカ丸さんが、とまた伊助が言った。タカ丸さんがあの頃切った髪の一房を大事に文箱に入れているの、同室の僕だけが知っている。タカ丸さんの髪はおひさまの色だよ、あんなに綺麗な色染料にもない!うん、と僕は応える。僕もきっと伊助と同じだ。あの人しか見えなくて、あの人が一番大事だもの。

【雷鉢】
「お前の今を、僕に頂戴。僕のこれからは、全部お前にあげるから」

【庄鉢】
愛しています、と少年は言った。こみ上げる何かを喉の奥で殺し、騙されるな、と声を絞り出した。君ともあろう者が、こんな偽りだけで出来た男に騙されるな。それは彼の言葉と同義だった。「貴方の為なら死んでもいい」静かな声が耳を打つ。伝わってしまうのが、私はずっとずっと恐ろしかった。


 

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2011/08/01 11:59 | RKRN(月ろぐ)

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