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2024/07/03 19:25 |
2011・12月
ついったーのお題やら、季節ものやら。
鉢屋中心にごった。







拍手[1回]



【庄鉢庄】貴方の声が聴こえた気がした。僕に想いを伝えて、良かったこれで思い残すことはない、そう言って笑った無責任な人。「君の錘には、なりたくないからね」僕はあのとき、錘でも鎖でもいいから傍に居てほしかったのに。それだけで良かったのに。「はやく見つけなきゃ」きっとまだ、泣いている。

【庄鉢庄】これは罪、かもしれない。今ここで引き寄せて、そのまま抱き締めて。好きだよ、と言えば聡いこの子は私の意図に気付くだろう。そしてそのまま受け入れてしまう。分かっているのに。「庄ちゃん」小さなこの手を、私はこれから鎖で繋ぐような真似をする。「…好きだよ」それでも後悔はしない。

【庄鉢】火鉢の傍で丸まっている。「鉢屋先輩」「何でそんな寒そうな格好なの…」は組で雪合戦、皆委員会対抗でしたい、と言うので。「学級は棄権しておきます」「こっち来て」ぎゅ、と抱き締められた。温かい。「此処に居てよ」寂しいでしょ、と先輩は笑う。「ふふ、庄ちゃんあったかいね」「貴方も」

【団左】不平等だ、左吉が算盤を弾きながら呟いた。三徹目で思考力も反応も鈍っている。「何が?」「僕が好きな分お前も僕を好きであるべきじゃないか?」あぁ字が大変なことに。いつも汚いって言われるけど。「左吉サン?」「もっと僕を好きになれ」我慢できずに口吸いしていいか尋ねる。俺悪くない!

【庄鉢】「先輩の目になりたいです」目を丸くした彼は変な庄ちゃん、と笑う。「私の目?」「鉢屋先輩の目になって、先輩の観ている世界を一緒に見たいんです」貴方は僕を見てくれない。僕には貴方しか見えないのに。「私は自分のより、庄ちゃんの目の方がいいな。君の世界を見てみたい」ああ、卑怯だ。

【いすタカ】大好きです。僕が囁くとタカ丸さんはボクもだーいすき、と相好を崩した。「伊助くんはきっと素敵な大人になるねえ」「そしたらタカ丸さん、嬉しいですか?」彼は首を傾げる。「ボク?」「素敵な大人になった僕が、タカ丸さんのだったら、嬉しいですか?」一瞬の間。「うん、すっごくね!」

【彦勘】ぎゅうと抱きつけばどうしたの、と先輩は笑う。貴方が考えているより僕は貴方がずっと好きだ。だって、こんなにどろどろした気持ちを僕は他に知らない。教科書には載っていない気持ち。「尾浜先輩」「今日は甘えたさんだね彦四郎?」ああ、貴方が笑って名前を呼んでくれるだけで、こんなにも。

【彦勘】「彦ぉ」猫が喉を鳴らす様に、先輩は座った僕の腰にまとわりついている。「すきすきー」僕は頬を膨らませた。「もう!子供扱いしないで下さいって言ってるじゃないですか!」「だって可愛いんだもん」仕方ない、と尾浜先輩は歌うように言う。「お餅ほっぺ食べちゃいたい!可愛い!」「もう!」

【庄鉢庄】月が綺麗ですね。可愛い後輩がそう言うものだから、君と見るから月が綺麗だよ、と笑ってみせた。まだ分からなくていい。そう思っていたのに。「ちゃんと、分かって言っていますよ。鉢屋先輩」逃がさないとばかりに手を握り込まれる。ああ、なんて。「庄ちゃんったら男前ね…」「はい、実は」

【五年】「忍務でもないのに外に出たくない」「せっかくの月だよ三郎!」嫌々する鉢屋を担ぎ上げて、雷蔵が屋根に現れた。「遅いぞろ組」「鉢屋、お菓子あるよ」座り込んだ鉢屋に煎餅を渡せば受け取った。「ハチは?」「忍狼とお散歩」「後で合流」「皆と見る月は綺麗だねえ」一緒に見れて、嬉しいよ。

【尾鉢】「あれ地球の影なんだって」ふうん、興味なさげに鉢屋が応えた。真っ白な息を吐き出して、手を温める。「つまり俺たちの影もほんのちょっとだけ、あそこに映ってるね」冷たい指を絡めて、俺のポケットに突っ込む。「寒がりさんの為カイロ準備済みなのですよ」「…本当に恥ずかしいやつだな!」

【六い】お前月に帰ったりしないよな、と文次郎が隣で呟いた。「何を言ってるんだお前は…」隈はいつもの何倍か酷い状態で、他の会計委員は全員仮眠をとっている最中だ。「寝れるときに寝ておけ、文次郎」「お前が月に帰らないか、見張っておかないと」「隣に居てやるから」全く、世話の焼ける同室だ!

【数さこ】「好きです、」面と向かって伝えようと思ったのに。僕にはちょっとハードルが高すぎた。「月が」「うん」先輩は笑った。「僕はね、左近が大好き。知ってた?」「……知ってます」僕もです、と何とか言ったら「良く出来ました」と頭を撫でられた。ああもう恥ずかしいひと!「左近かーわいっ」

【文鉢】不破と喧嘩して機嫌が悪いからって、来るな。押し倒された状態でそう言えば「攻めは私ですから」と豪語する。話を聞く気があるのかこいつは。「さっさと謝ってこい」喧嘩をして泣いたのだろう、目尻が赤い。「…私悪くないもん」もんってお前。そのままわんわん泣き出した。どうしろってんだ。

【久々勘】楽しいときに一緒に居ることなら、誰にでもできるよ。そうじゃなくて、兵助には俺が辛くて死にそうなときに傍に居てほしいんだ。おかしい?ううん、俺は首を振った。勘ちゃんがそう望むなら。ありがと、そう呟いた彼はそのまま泣きだした。どうしたって俺は傍に居ることしか、出来ないのだ。

【きり+鉢】へたくそ、とやけに明瞭な発音で言われて、俺は顔をあげた。綺麗なお姉さん。だけど声が、鉢屋先輩のそれだ。「そりゃあ変装名人に比べれば俺の女装なんて下手なものでしょうけど」「女装じゃなくて、笑い方な」本当に下手くそ、と笑って頭を撫でられる。「まるで私みたいだ」生きるのも。

【伝綾】伝七は可愛いねえ。綾部先輩はそう言うと床に寝転がった。「…立花先輩が戻られたら、怒られますよ」「この方が伝七の顔見えるもの」下から覗きこまれて、段々恥ずかしくなった。からかわれているんだろうか。「でも、ちゃあんと格好良くなるよ」僕の好きな子だもの、と。「え」「だあいすき」

【尾鉢尾】鉢屋はまた雷蔵を見てる。いつも一緒に居るくせに、今目の前に座ってるのはこの俺だっていうのに!細くて綺麗な指が雷蔵の頬に触れ、鉢屋が笑う。お椀が嫌な音をたてて軋んだ。「どうした勘右衛門?」それでも俺はこいつが大好きなのだ。「何でもない!鉢屋のばか!」ああなんて腹立たしい!

【庄鉢庄】誰かこの壁を壊してくれますようにと願っている。それがこの子であればいいと祈っている。「おやすみ」閉じられた瞼にそっと掌を重ねて。「良い子だね」望みは言わない。気取らせもしない。(ああ、だけどこの子なら)鉢屋先輩、と名前を呼ぶ甘い声。(気付いてくれるんじゃないか、なんて)

【庄鉢庄】あの人と代われたらいいのに、なんて。(なんてばかばかしいことを)あの人達の誰かに、僕は成り替わりたいわけじゃない。この人の唯一になりたいのだ。どうしたの、と問われて正直に応えた。「意味のない嫉妬を、少し」「意味がないことなんて、無いよ」君が妬いてくれたら、私は嬉しいな。

 

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2011/12/30 18:12 | RKRN(月ろぐ)

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