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2024/09/29 10:32 |
君じゃなきゃだめ【ライベル】
小さな二人の相互依存の話し。 ●12巻までのネタバレ・捏造注意●

「えっちなショタ山奥」というバースデーリクエストでした。


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「カムパネルラ、また僕たち二人きりになったねえ、どこまでもどこまでも一緒に行こう。僕はもうあの蠍のように本当にみんなの幸のためならば僕のからだなんか百ぺん灼いてもかまわない。」
「うん。僕だってそうだ。」カムパネルラの眼にはきれいな涙がうかんでいました。
「けれどもほんとうの幸は一体何だろう。」ジョバンニが云いました。
「僕わからない。」カムパネルラがぼんやり云いました。
「僕たちしっかりやろうねえ。」ジョバンニが胸いっぱい新らしい力が湧くようにふうと息をしながら云いました。

銀河鉄道の夜 / 宮沢賢治


君じゃなきゃだめ


僕の祈りはライナーの色をしている。


 俺とベルトルトの体格はほとんど変わらない。俺の方がちょっとだけ重くて、ベルトルトの方が少しだけ大きい。それくらいの差だ。だからほとんど全身で圧し掛かられて苦しいだろうに、ベルトルトは、もっと、とねだりながら、首に回した腕で俺の首を掻き抱く。俺の我慢も知らないで、ベルトルトは動かない俺を不思議そうに見た。
「ライナー?」
 ベルトルトがその気なら、と俺も小さな顎を片手で捕らえ、ぱくんと唇を軽く噛んでやる。ち、と鳴らせば楽しそうな音を立てて笑い、舌でベルトルトの唇をノックすると「ふあ」と可愛い音を出しながら口を開いた。中はひどく熱い。口の裏側を舌でなぞって、そのまま顔を引く。半開きの口から、一生懸命に舌を伸ばして、ベルトルトは俺の舌を追いかけた。唾液が細く結ばれて、落ちる。引っ張り出したベルトルトの舌の表面を指で触れながら、細い首筋に鼻を埋める。手伝いを終えたばかりのベルトルトの身体は既にしっとりと汗ばんで、ベルトルトの匂いがいつもより強く鼻を刺激した。ぺろりとうなじあたりを舐める。当たり前だけれどしょっぱかった。弱点に触れられたからか、一つ下の幼馴染はぎゅうと目をつぶって鼻の頭に皺を寄せる。
「らめらよ」
「何がだよ」
うう、と唸ったベルトルトは舌に触れたままの俺の指を咥えだした。舌の赤色が目を射るようで、林檎みたいだなあ、と思う。ベルトルトはほっぺたも林檎みたいに赤い。それが子どもっぽくて嫌だとこいつは言うけれども、俺より一つ年下なのは違いないし、俺だってまだ子どもだ。俺の指で押さえられた舌を中心に首を動かして、上目遣いのままちゅっと音を立てて指を吸う。
「らいなぁ」
舌を開放されたベルトルトが、それでもなお舌足らずな甘い声を出しながら、俺の腰を足で挟んでおねだりをする。
「らいな、いじわるしないで」
「悪い」
 可愛くて思わず笑みがこぼれたけれど、俺は真っ直ぐベルトルトの胸の飾りに吸い付いた。小さな尖りが、ゆっくりと固くなっていくのを舌と指で感じる。俺が守るんだ。これは俺が守るべき生きものだ。
「先にイって良いぞ、ベルトルト」
「やだっ、一緒が、良い……」
「だめだ。ベルトルト、先にイけ」
「や……やめ……ひぅ……あっ、ぁ、あんっ!」
 頑是ない様子でいやいやと横に振られていた首が止まり、ベルトルトは何かに耐えるようにぎゅっと目を瞑った。俺の指が潜り込んでいる下着の中に、生暖かい液体が断続的に撒き散らされる。
「ひゃ、んっ……ライナー……あっ」
 イっている最中、震える先端を指で突付いてみたら、名前を呼びながら視線で咎められた。とは言っても、熱で潤んだ目には迫力なんて欠片もない。
「……ん……っ、……は、はあ……」
 唾液をたっぷりと垂らし、尖らせた舌と中指と使って、後孔を解す。軟膏も何も家畜用の小屋にはない。後ろを使う俺との行為に慣れているベルトルトの身体は、順調にとろとろと蕩けていった。
「っぁ、……んんっ、や、だっ……!らいな……」
「ベルトルト、かわいい」
「……っ、もう」
 らいなーのばか、と。ベルトルトは自分の腕を顔に押し付け、もごもごと小さな声で可愛いらしい文句を言った。指でぐっと開いた所へ舌から直接唾液を注ぐ。ついでに舌を差し込みながら指で中を掻き回すと、段々、ベルトルトの声が調子を変える。
「んっ、ああっ、……っ、あっ……」
「……ほら、ベル、どうするんだった?」
 優しく声を掛けると、夜を閉じ込めたような色の瞳が俺を映す。潤んでいるのは涙のせいだろうか。
「できるだろ?」
「ライナー……ちょうだい……」
 すっかりずり落ちてしまったシャツをもう一度自分の手で胸まで捲くりあげて、ベルトルトは膝を立てた両脚を開いた。そこへ手を伸ばす。だけど、すぐに触れはしない。
「らいなぁ……」
 半分泣き混じりの声で俺を呼びながら、ベルトルトは自分の脚の内側に指を伸ばす。赤らんだ肌に白い指を埋め、動かない俺に向かっていっそう脚を広げる。何回やっても、どれだけ慣れても、恥ずかしいのは変わらないらしい。しかし、一度それを飛び越してしまって、快楽だけを素直に求めるベルトルトの手を掴むと、改めて彼の身体に乗り上げながら、ふかふかの干し草の山へと二人して沈み込んだ。
「力、抜いてろよ」
「うん、」
 ベルトルトのこめかみにキスを落とす。零れた涙を舌で舐めとりながら熱くなった性器の先を宛がうと、ベルトルトは反射的に身を固くした。しかし直ぐに、身体の力を意図的に抜いて、ふにゃりと表情まで綻ばせる。
「……だいすき」
 ゆっくりと息を吐き出すのに合わせて、ベルトルトは俺を見詰めながらそう囁いた。ゆっくりと深い色をした緑の瞳が閉じる。まるで眠る前のひととき、神様に祈るように。
「……っ、ばか」
「ひっ、う、あああっ!?」
 ベルトルトの声に、泣きそうなほどの熱があがってくるのを感じて、俺は思わず一気にベルトルトを貫いた。言いたいことは喉の奥に引っかかってしまって、一つも口に出せない。ベルトルトは背を反らしてびくびくと痙攣させている。強く手を握る。反射で地面を蹴って逃げようとする腰を片手で掴んで引き戻し、再び奥を突いた。
「あっ、いきなりっ、んんっ……おく、くるし、やっ」
 ベルトルトは苦しそうに息を乱してぼろぼろと涙を零しながら、両脚を俺の腰に絡めた。同時に、いっそうきゅうと締まる中に誘われて、くらくらする。俺は快楽を追って腰を突き動かした。
「あっ、らいな、ひゃん!!」
 ベルトルトは縋るように地面に爪を立て、俺に突き上げられるたびに、大きく開いた瞳から涙を零す。ちゃんとした潤滑剤もなく、十分に慣らさないままで挿れてしまったからだろう、ベルトルトはいつもより苦しそうだった。
「んっ、やぁ、ああっ!」
 だけど、ベルトルトには悪いけれど、初めてのときのようなキツさと、しかしいやらしく絡み付いてくる中の粘膜が堪らない。俺はベルトルトを労わるのも忘れて、夢中でベルトルトの中を貪った。かわいい。きれいだ。前髪が汗で額に張り付いてしまっている。
「ひうっ、あっ、も、だめっ、あっ」
 それでも、先に限界を訴えたのはベルトルトだった。腰に絡めた脚で、俺の腰を更に強く挟み込む。答えるように、俺はベルトルトの腰を抱き寄せて、その最奥を強く穿った。
「ひっ、やっ、ぁあ、あああ……っ!」
 ベルトルトは腰を反り返しながら、俺と同時に自分の腹にたっぷりの精液を吐き出す。さっきよりも長く、その痙攣は続いた。
「……ふっ、う……んぅっ……あっ」
「俺も好きだ。大好きだ」
 ふふ、と嬉しそうに笑ったベルトルトは引き寄せた俺の額にそっとキスをする。
「うん。知ってるよ」

 ベルトルト、俺にはお前だけだ。泣き虫で、怖がりで、寂しがりで。それでも、お前しか居ない。





「ライナー」

 僕は眠りに就く前、そっとライナーの名前を呼ぶ。聴こえるか聴こえないかの小さな声なのに(僕はいつも声が小さいと皆から怒られるのだ)、ライナーは必ず聞き届けてどうした、と尋ねてくれる。どうした、ベルトルト。たったそれだけのことだけど、僕の中では大事なだいじなお祈りだった。
「おやすみなさい、ライナー」

 今日も君が大好きでした。明日も、明後日も、君じゃなきゃだめだよ。
 僕には、君だけだ。君と一緒なら、僕はきっと何でも出来る。 

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2014/01/18 02:00 | 進撃(SS)

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