ふぉろわさんのお好きなCPとか、お受けしたリクエストとか。
雷鉢と鉢こへ多めかもしれません……ってそこまで数が無かった!
来月もきっと少なめ、かな。五年月間に耐えられるか。
【四い】お前という奴は、と滝夜叉丸は僕を前にして困った顔をした。「なに」「喜八郎お前、同級生を罠に掛けただろう」ああと声を出せば眉尻を下げる。「いけなかった?」「……嫌われるぞ」「滝ほどじゃあない」「失礼な奴だあいつらは私の美しさに云々かんぬん」滝に嫌われなきゃ、僕はそれでいい。
【庄鉢】「鉢屋先輩は、僕に本当のことなんて仰らないでしょうに」委員会の後輩はそう言って楽しそうに笑った。「今更だね、庄左ヱ門」そうだよ、だって、私は嘘吐きだ。本当のことなんて一つも言えない。全部嘘にしていいから、だから、どうかたまに混ぜ込んだ本音には気付かないでいて。
【雷鉢】欲張ったらダメなんだ。私が欲張って雷蔵を独り占めにしてしまったらそれはもうろ組どころか学園全体の損失だし、何より皆に迷惑をかける。だから、だからね、君が私をぎゅっとしてくれたらそれだけで嬉しいな。それだけ何とか紡いだところで、私は布団に投げ出された。「遠慮しないで、ね?」
【綾勘】僕が最期に見たのは、聴いたのは、呼んだのは、触れたのは、全部ぜんぶ貴方だったから。これはもしかしたら幸せなことかもしれないなあって、想ったんです。独りよがりですけど。だから、謝るようなことなんてひとつもないんですよ、尾浜先輩。最期の最期にお名前をお呼びして、ごめんなさい。
【鉢こへ】今世は気付くのが遅すぎたんだよ。きっとまた来世。そう言ったときのあの人の目をみたら、誰にだってわかると思う。信じなくちゃいけないということが。たとえそれが叶えられない約束でも、私は生涯あの人を疑ったりしないだろう。だって、散々人を脅かしておいて、笑って生き残る人だから。
【鉢こへ】貴方に言いたいことなんてほとんどありませんが、貴方の知りたいところなら山程あります。何を考えていますか。どうしてそうやって理解されるのを嫌がるんですか。今すぐに応えてくださらなくても良いんです、きらきら光る貴方が、私の瞼の裏に焼き付きますように。
【伊雷】「いった……」書物で指を切った。委員会中の出来事、最たる誤算は保健委員長が後ろにいたことに気付かなかったことだ。「あーあ、何やってるの」厚い舌と温度が指の先を包んだ。「何を」本当は良くないんだけど、と続けられた言葉。紙の傷は深く、じんじんと疼く。いつまでも。
【鉢尾】欲しいものが手に入らないことに慣れると、本当は自分が何が欲しかったのか、分からなくなる。鉢屋あのね、お前が好きだよ、大好きなんだよって、伝わらないけど一生懸命思っている。むしろ伝わらない方が良い。そう思ってたのに。勘右衛門、と名前を呼ぶ声があんまり優しくて。
【勘こへ】七松先輩はいつも通りの声で尾浜、離せ、と言った。「あまりくっつくな、邪魔だぞ。早く何処かに行ってしまえ」「やーです」「どうして」先輩が傷付いてるときくらい、俺が傍に居たっていいと思うので。俺、空気読めないんで離しません。(だって貴方、どうせ独りぼっちで泣くんでしょう?)
【庄鉢庄】あの人と代われたらいいのに、なんて馬鹿なことは言わない。貴方はどうか笑っていてください。あの人と先輩を引き離して、先輩の心が寂しくて捻じ切れてしまうくらいなら、僕はそんなこと望まない。大きくなった僕が不破先輩まるごと大好きになれたらなあって思うんです。まだ内緒ですけど。
【雷鉢】初恋というのは知恵の輪みたいなものであるという。成程それは本当で、考えれば考えるほど分からない。私の初恋は雷蔵で、だから私が雷蔵のことを完全に理解出来ないのはおかしくないのだ。僕もそうだなあ、なんて君が笑うから、私は勘違いしてしまうじゃないか!
【まごつぎ】傷付いたのは、生きたからだろ。三之助はそう言って僕が作ったお墓に手を合わせた。こんな山の奥にどうやって辿り着いたのとか、方向音痴とか、言いたいことは言えないまま飲み込んだ。その代わり、孫兵もそうだよ、と唱えられた言葉に涙が溢れた。どうしてこう、君ときたら!
【雷鉢】「雷蔵、君の好きな御伽草子はあるかい。図書委員さんのオススメを聞きたいな」またかい、と雷蔵が笑う。ちょっと待って。君の前では沢山たくさん、好きを使う。あの味が好き、あの席が好き、この色が好き。本当は、好きのところだけ、君に向けて言ってる。内緒だけども、ね!